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2015年08月10日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第28節カマタマーレ讃岐戦

試合レポート

 チーム一丸となった強い気持ちで勝ち点3をたぐり寄せた。ザスパはアウェーで讃岐を1−0で退け、3試合ぶりの勝利を手にした。相手の決定力不足にも助けられ、虎の子の1点を守り抜いた一戦に、服部浩紀監督は「きょうの結果は本当に展開に恵まれた」と安どの表情だった。
 ザスパはホームでの前節岐阜戦が雷によって中止・延期となり、2週ぶりの試合となった。それ以前の九州2連戦、第25節長崎戦と第26節大分戦を落とし、現在2連敗とチーム状況が芳しくない中、イレギュラーな形で試合間隔が空いたことで心身ともにリフレッシュ。 両チームの勝ち点は讃岐が33に対し、ザスパが32で、暫定順位も讃岐が12位でザスパが15位と僅差なだけに、連敗から心機一転してもう一度上を目指すため、ザスパにとって今節はアウェーとはいえ勝利が求められる重要な一戦となった。
 ザスパは中止となった岐阜戦で発表済だったスタメンから一人を変更し、DF乾大知に代わってDF青木良太が出場。DF小柳達司が14試合ぶりの先発で右サイドバックに入り、左のアタッカーにはひざ痛で試合から遠ざかっていたFWカイケが6試合ぶりの復帰。ここ数試合はサイドアタッカーで出場していたFW江坂任が1トップに入る4−2−3−1の布陣を敷いた。
 絶対に負けられない一戦。試合は立ち上がりから両チームの戦術がはっきりしていた。讃岐の9人のフィールドプレーヤーが自陣に引いてブロックをつくる守備的な戦い方に対し、ザスパはボールを保持してパスを回し、サイド攻撃を中心に相手ゴールに迫った。
 序盤から敵陣でプレーする時間が長く、押し気味に試合を進めたザスパ。特に両サイドからの攻撃が有効で、正確なクロスから多くのチャンスを作った。ファーストチャンスは10分、右サイドからの小柳のクロスをカイケが頭で合わせ、ゴールに迫った。
 自分たちのペースで試合を進めながらも、なかなか決定機を作れずにいると、逆に24分、一発のロングボールから危ない場面。敵陣からの長いボールで自陣右サイドの裏を取られると、ダイレクトプレーでの折り返しを許し、最後は中央で枠内にシュートを被弾。GK富居大樹の素早い反応で事なきを得たが、先制されてもおかしくないシーンだった。
 直後の28分、今度は再びサイド攻撃からチャンスを演出。敵陣右サイドで小柳が相手をかわして正確なクロスを供給。中央で江坂がフリーで飛び込んだが、シュートは惜しくも枠を外れた。
 引いて守る讃岐の守備ブロックにてこずる中、31分にはMF松下裕樹主将がミドルシュートで相手ゴールを脅かした。松下は前半戦で対戦した第10節で同じような位置からのシュートで決勝点を奪っていただけに、ゴールの可能性を感じさせる迫力のあるシュートだった。
 自分たちのリズムで攻めながらも、讃岐の堅守を崩すまでには至らず。前半はスコアレスで折り返した。
 ハーフタイムに服部監督やコーチ陣から「3点取るぞ」とはっぱをかけられた選手たち。気迫十分に後半戦に入ったが、立ち上がりは一転して讃岐の攻勢にあう苦しい展開となった。
 5分過ぎまでは完全に讃岐ペースの試合。わずか数分の短時間に何度も自陣深くまで攻め込まれた。ザスパは集中した守備で対応し、ゴールを許さなかった。
 後半最初のチャンスは6分、またしても小柳の正確なクロスが光った。敵陣バイタルエリアでパスをつなぎ、相手を揺さぶりながらボールを右サイドへ。パスを受けた小柳は中央を確認し、狙いすましてファーサイドにボールを供給した。中央で待つ江坂は相手DFの背後を取り、逆サイドへヘディングシュート。枠内に飛んだボールは惜しくも相手DFのクリアにあったが、あと一歩でゴールという決定的な場面だった。10分にはドリブル突破からで好機を演出。MF吉濱遼平が右サイドを突破し、左足でサイドネットを揺らす惜しいシュートを放った。
 自分たちのペースながらもあと一歩が足りないザスパ。服部監督は状況を打開するため、15分にカイケに代えてFW野崎桂太を投入。布陣を2トップに変え、前線の枚数を増やして何としてもゴールを奪うという強い意思をピッチに示した。それでも思うように讃岐の守備網を崩せず。攻撃のスイッチとなる縦パスが出せず、横パスばかりで決定機を作れない展開が続いた。
 低調なパフォーマンスが続く中、意外な形で讃岐のゴールをこじ開けた。22分、パス回しで攻撃のタイミングをはかる中、ボールが右サイドに渡ると、小柳から吉濱へ。吉濱は中央を確認し、低い弾道のクロスボールを蹴り込んだ。ゴールに向かっていく弾道のボールに逆サイドにいたMF小林竜樹が反応し、相手DFを引き連れながら中央に走り込んだ。この動きが相手GKを惑わしたのか、ボールは誰にも触れられず、そのままゴールへ。吉濱自身「シュートではなく、クロスボール。ラッキーでした」と振り返るゴールで、ついにスコアを動かした。
 リードしたことで守りの意識が働いたのか、その後は相手の反撃を受ける苦しい時間帯が続いた。25分、自陣左サイドでの相手のロングスローから、PA内でマークが甘くなって強烈なシュートを被弾。クロスバーに助けられたものの、あわやゴールという決定的なシーンをつくられた。その後も讃岐の猛攻を受け、自陣で我慢する展開。何度もピンチを招いたが、富居を中心に守備陣が体を張って守り抜き、ゴールを死守。アウェーで貴重な勝ち点3を手にした。
 試合内容は決して良くなかった。それでも結果をつかみ、連敗を止めたことでチームは再び上を見て戦うことができるだろう。長いシーズンすべての試合で内容的にパーフェクトな試合をすることは難しいだけに、松下は「内容のいいサッカーをして勝つことを目指しながらも、悪いなりに結果もつかんでいくことが大切だし、これからも結果を継続して積み上げていきたい」と強調する。そのために何よりも大切なのが、気持ちの部分。青木は「(きょうは)何としても連敗を止めるという強いモチベーションで臨んでいたので、そういう部分が少なからず結果につながった」と話す。今季のスローガンが「無我夢中」であるように、そうした強い気持ちを常に出し続け、どんな状況でも諦めずにがむしゃらに結果を求めて戦うこと。それがこのチーム、クラブを上に押し上げていく最大の原動力となる。
 また、今季ここまでのザスパは守備から入ってカウンターで仕留めるサッカーを得意としてきただけに、この日のポゼッションを重視した戦いは意外に見えた。それも讃岐の守備的な戦いの影響による“持たされた”ポゼッションではなく、服部監督が「自分たちがボールを持った時にどう攻めていくかを練習してきた」と語ったように、自分たちが意図してボールを保持する積極的なポゼッションサッカーだった。「精度が悪く、このような試合をしていては上にはいけない」という服部監督の言葉通り、出来については満足のできるものではなかったが、これまでの堅守速攻だけでなく、新たな戦術に取り組んでいくことでチームがどう変化していくのか、今後の成長を楽しみに感じる一戦でもあったことを追記したい。


【結果】
ザスパクサツ群馬 1‐0 カマタマーレ讃岐

会場:香川県立丸亀競技場

8月8日(土)18時00分キックオフ
前半 0−0
後半 1−0

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150808.html
をご覧下さい。

本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
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