※テスト運用中
2015年07月05日
【試合レポート】2015明治安田生命J2リーグ第21節徳島ヴォルティス戦

試合レポート

 終了間際に決勝点を奪う劇的な展開で、ザスパがおよそ1カ月ぶりの勝利をつかみ取った。バケツをひっくり返したような豪雨に見舞われた中、チーム一丸となって最後まであきらめずに戦い、価値ある1勝を手にした。今シーズンの前半戦最終節を白星で締めくくり、服部浩紀監督は「この勝利の勢いを後半戦で結果を出していくいいきっかけにしたい」と強調した。
 ザスパは前節、アウェーの岐阜戦で前半のリードを守りきることができず、1−1のドローに終わった。内容的にも岐阜に押される時間帯が多く、課題の多いゲームとなった。前節から中5日で迎える今節。チームは7月1〜3日に2泊3日の日程で恒例の草津町ミニキャンプを実施。クラブ発祥の地でチームを鍛え直し、前半戦の締めくくりとなる今節の徳島戦に備えてきた。
 キャンプ後の試合に臨んだメンバーは、岐阜戦から3人が変更。DFラインに青木良太が3試合ぶりに復帰し、前線は横山翔平と吉濱遼平の若手コンビが名を連ねた。
 選手入場時に急に降り始めた豪雨で、前半序盤は視界不良の難しいコンディションのゲームとなった。その中で流れをつかんだのは徳島。ザスパは自陣に押し込まれる場面が目立ったが、守備陣が集中して守り、立ち上がりの時間帯をしのいだ。8分にDF乾大知が負傷退場するも、代わって入ったDF有薗真吾が柔軟な対応を見せ、守備から流れを引き寄せた。
 ボールを奪ってから素早く攻撃に転じる切り替えの早いサッカーで、徐々にチャンスを作り始めると、時間とともに流れはザスパへ。そして23分、期待の若手攻撃陣が歓喜の瞬間を作った。
 現在チーム得点王のFW江坂任が、得意のドリブルで左サイドを突破。ライン際まで侵入し、マイナスに折り返すと、そのボールに素早く反応した吉濱が勢いよく走り込み、左足でのトラップ後、浮き球を太ももで触ってゴールに押し込んだ。
 売り出し中の若手コンビの活躍でリードを得ると、チームは一気に勢いづいた。草津ミニキャンプの成果といえる連係プレーを次々と披露。横山らFWカイケらの若手攻撃陣も積極的に仕掛け、徳島ゴールを脅かした。追加点は奪えなかったが、押せ押せムードで前半を折り返した。
 リードして迎えた後半は、一転して徳島ペースの苦しい展開。後半始まりと同時に出場してきた徳島FW津田知宏のスペースへの動きに苦しみ、徐々にDFラインが下がって自陣に押し込まれていった。
 そして10分、左サイドから中央にパスを通され、津田に絶妙なポストプレーを許すと、バイタルエリアのプレスが甘くなり、走り込んだ徳島MF木村祐志にミドルシュートを叩き込まれた。「DFラインの選手やボランチがプレスを掛けなければいけなかったし、クロスを上げられたあとにマークのずれが生じてしまっていたことも良くなかった」と服部監督。チームの課題である立ち上がりの時間帯に失点し、試合を振り出しに戻された。
 その後も試合は徳島ペース。自陣深くに攻め込まれ、我慢強く跳ね返す展開が続いた。
悪い流れを断ち切ろうと、服部監督は20分に横山に代えてベテランのMF永井雄一郎を投入。ボールを保持してリズムを作り出そうと試みた。
 この交代後、徐々にボールが回るようになったザスパ。24分には永井のクロスを江坂が頭で合わせ、惜しい場面を作った。逆に徳島の攻撃を受けるシーンもあったが、GK富居大樹がファインセーブでゴールを死守。両チームとも決定機を決めきれないまま、試合は終盤に入った。
 ホームで何としても勝ち点3が欲しいザスパは、38分にFW野崎桂太を投入。この交代が最後の最後に当たった。
 アディショナルタイムに入ろうかという45分、待望の瞬間が訪れた。まずは右サイド。敵陣深くで野崎が相手DFに猛然とプレスをかけ、ボールを奪取。右サイドからのクロスには誰も合わせることができなかったが、逆サイドに流れたボールをDF小林亮がキープ。ここで、最終ラインから青木が一気にオーバーラップし、パスを受けてドリブル突破。左サイド深くまで侵入すると、左足で切り替えした後、中央の枚数を確認し、右足で狙いすましたクロスを上げた。このボールに合わせたのが、この一連の攻撃のきっかけをつくった野崎だった。
 「無我夢中でした」と野崎。低い弾道のボールに体を倒しながら頭で合わせ、ファーサイドに流した。まるでスローモーションのようにゴールネットに吸い込まれていたボール。ネットが揺れた瞬間、スタジアムの歓喜が爆発した。そして3分間のアディショナルタイムを終えると、再びスタジアムを歓声が包んだ。
 雨の鬱陶しさも一瞬で吹き飛ばすような劇的な勝利だった。全身びしょ濡れになりながらも、ともに喜び、笑いあう選手とサポーターの姿は、サッカーの魅力そのものを体現していた。
 「連戦にプラスにつなげ、いい流れで連勝していきたい」とDF夛田凌輔。その言葉通り、劇的勝利で生まれた勢いを生かせるか。シーズン後半戦の行方を占う次節は、中3日で再びホーム戦。連勝で上位陣追撃のきっかけとしたい。



【結果】
ザスパクサツ群馬 2‐1 徳島ヴォルティス

会場:正田醤油スタジアム群馬

7月4日(土)19時00分キックオフ
前半 1−0
後半 1−1
入場者数:2781人

詳しくは
http://www.thespa.co.jp/game/2015/game/150704.html
をご覧下さい。

本件に関するお問合せは(株)草津温泉フットボールクラブ 広報部
TEL:027-225-2350 FAX:027-225-2355